AGA(エージーエー)は男性特有の脱毛症です。主に30~50代の男性に多くみられ、薄毛や抜け毛に悩む男性のほとんどがAGAであるといえます。
AGAは日本全国で1,260万人いるといわれており、ヘアサイクル(周毛期)の成長期が短くなる影響で前頭部と頭頂部の髪が薄くなるのが特徴です。遺伝や男性ホルモンが大きく関わっていると考えられていますが、一度AGAの症状がでてくると脱毛が進行していきます。
AGAの原因は主に遺伝とホルモンによるものですが、他にもさまざまな要素が関わっている可能性があります。
AGA(男性型脱毛症)の8割が遺伝によるものといわれています。AGAの中でも特に若年性脱毛症の場合は遺伝の影響が大きいようです。これは薄毛になりやすいホルモンのバランスが遺伝するためです。
親がAGAなどの薄毛の場合、子どもへ遺伝する割合は父親が薄毛の場合50% 母親が薄毛の場合75% といわれています。
AGAには男性ホルモンが大きく関わっています。男性ホルモン(テストステロン)はひげや胸毛など体毛の成長を促すホルモンですが、毛髪に対しては成長・発毛を抑制する作用があります。
「毛深い人は薄毛になりやすい」とよくいわれるのはこの男性ホルモンのためです。
男性ホルモンは、毛根にある毛母細胞で5αリダクターゼによりDHT(ジヒドロテストステロン)という物質に変わります。
このDHTが毛根細胞の分裂を抑制するため、ヘアサイクルに悪影響を与え、髪の毛の成長しにくくなり、薄毛・脱毛の原因となります。
AGAの原因として遺伝・ホルモン以外にもさまざまな原因が考えられます。
例えばストレスは筋肉を収縮させ、毛細血管を圧迫します。その影響で毛根への栄養が不十分になり、きちんと発毛しなくなります。不規則な食生活による栄養不足も同じです。
またアルコールやタバコも栄養供給がうまくいかない原因になります。アルコールは栄養分そのものを作りにくくしますし、タバコは血液内の酸素・栄養不足を引き起こします。気になる方は控えた方がよいでしょう。
(脱毛・薄毛)の症状・体質によりますが、内服薬のプロペシアの処方が一般的です。
半年ほど続けるとAGAに対する効果がわかってきますが、患者個々の症状にあわせてミノキシジルなどの成分を含む外用薬(塗り薬)を併用する場合もあります。
これまでの治療薬・育毛剤(ミノキシジルなどの成分)ではそのほとんどが頭皮の毛細血管を拡張し、発毛に関わる毛母細胞などへの栄養供給を促進することで発毛を促すことがポイントでした。
プロペシアではもともとの発毛を阻害する原因となるDHTを抑制することが目的なので、全く違うアプローチであるといえます。
医療法人社団 良保会 奥秋整形外科